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内科

このページは静岡市静岡医師会の所属医師が提供する情報です。
一般的な情報ですので、各個人でお知りになりたい詳しい情報などは、かかりつけ医にご相談ください。

呼吸器系
インフルエンザ
カゼ症候群
喘息
肺ガン
肺結核

消化器系
上腹部不定愁訴症候群
胃・十二指腸潰瘍とヘリコバクタ・ピロリ菌
大腸癌検診と大腸癌
肝機能障害と慢性肝炎
癌を予防する5つの心得

循環器系
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
高血圧

神経系
パーキンソン病
ギラン・バレー症候群
重症筋無力症


●インフルエンザ
40度ちかい高熱と筋肉痛、関節の痛み、咳、痰、喉の痛みなどを主な症状とする。
冬期に多いウィルスによる感染症で、感染力は非常に強く一家族全員がかかってしまうことがある。
かの有名な[スペインかぜ]、[ソ連かぜ]の原因ウィルスであり、普通のかぜとは異なり幼児、高齢者など抵抗力のない人がかかると死亡することがあるので要注意。
新しい種類のウィルスにたいして一般の人は免疫力をもっていないので、爆発的に流行することがある。
予防法は、流行する2カ月前からインフルエンザの予防接種を受けること。うがい、手洗いの励行。
ウィルスは目に見えないのでどこにいるのか分からない。したがってウィルスのいそうな場所(ひとごみの中など)は要注意。
●カゼ症候群

症状は咳、痰、喉の痛み、鼻水、微熱など。上記のインフルエンザに比べて全身状態は比較的よく保たれるごく普通のかぜ。
その原因はやはりいろいろなウィルスによる感染症で、2〜3日の安静によりかなりの改善がみられる。

運が悪いと一シーズン3〜4回ひくことがある。まれに髄膜炎などの合併症を起こすことがある。

●喘息

よく咳をしたときゼーゼーヒューヒューといった呼吸音が聞かれるときがあるが、これは喘息の疑いがある。すぐ病院に行った方がよい。

喘息の病態は気管支の痙攣による気道狭窄。狭い気道に痰がつまって呼吸困難になり、笛を吹いたような喘鳴がはたからも聞こえる。

原因は多岐にわたり(1)アレルギー、(2)感染、(3)心因反応などが混然として喘息発作が成立する。
治療は副腎皮質ホルモンの定期的な吸入、気管支拡張剤などを用いる。この病気はなかなか治らなく発作を繰り返すことがあり、そのため民間療法に走るひともあるがやはり良い医師に相談したほうがいい。

●肺ガン

近年国民の死亡率が上がってきた代表的な疾患の一つ。男性では全ガン死亡数の一位になった。気管、気管支、肺にできるガン。

顕微鏡でその組織をみると偏平上皮ガン、腺ガン、未分化ガンに大きく分けることができる。この順番で悪性度も高くなる。最近では肺ガンの診断法も発達し、より早い時期に肺ガンを発見できるようになり、手術成績も向上してきた。しかし他の部位のガンと比べるとまだまだ治りづらい。確たる予防法がないので、いまのところは定期検診を受けることがベター。

すなわち一年に一度胸部レントゲン写真を撮影し異常があれば精密検査をうける。治療は手術によりこれを摘出する。一次予防としてのタバコや大気汚染に対する対策の強化が望まれる。

●肺結核

[再興感染症]などと医者でも聞き慣れない言葉がある。

以前流行していたが一時その勢いが落ち、近年また盛り返しつつある疾患をまとめてこう呼んでいるが、肺結核もこの再興感染症の一つ。

ご存じのように結核菌による感染で全身の臓器に感染する可能性はあるが、空気中にただよっている菌なので特に肺に感染しやすい。結核菌による肺炎なので症状は咳、痰、微熱と一般のカゼと区別がつかない。これら症状が1〜2週間続いた場合は肺結核も疑う必要がある。治療法は、良く効くクスリがあるので医師の指示に従い内服する。

●上腹部不定愁訴症候群

消化器科を訪れる患者さんの50%以上の方は、この病気だと言われています。胃の痛み、悪心、腹部張り感などの上腹部消化器症状を訴えながら、内視鏡などの一般的消化器検査で異常が認められない状態を、上腹部不定愁訴症候群と呼んでいます。

この病気は、症状に応じて治療法がほぼ確立していますので、適切な治療によって必ず元気になります。しかし、この病気だと自己判断して、何も検査せず薬だけ飲んでしまうのは大変危険なことです。症状が繰り返している方は、必ず必要な検査を受けてください。

●胃・十二指腸潰瘍とヘリコバクタ・ピロリ菌

胃・十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜がただれ、はがれたり、穴があいてしまう病気です。空腹時・夜間の胃痛があり、食事をすると症状が軽くなる場合は潰瘍の疑いありです。

現在潰瘍症に対しては、ほぼ確実に治癒させることのできる薬がありますので、以前のように手術をすることは極めて少なくなっています。潰瘍症は一度治癒しても、何回も再発することが昔から知られていましたが、最近潰瘍症再発の原因として、胃の中に存在しているヘリコバクタ・ピロリ菌が注目されるようになりました。

この細菌は特殊な酵素をもってアンモニア(アルカリ)を作ることができるため、胃液という塩酸の中でも生きていくことができます。この細菌の出すいろいろな毒素によって粘膜が傷害され、潰瘍が再発しやすくなると言われています。

また、この細菌によって胃の正常な粘膜も傷害され、萎縮が進み、癌や特殊なリンパ腫が発生しやすくなることも知られています。

●大腸癌検診と大腸癌

大腸癌検診は、便中の微量の血液を検出することによって、癌患者を見つけるようにする方法です。この方法では、人の血液が便中に含まれている時しか陽性となりませんので、例えば前日に肉類など動物の血液が含まれているものを食べても影響を受けません。しかし歯ぐきから出血したり、痔が切れて出血したりしますと、検査は陽性と判定されますので、その点ご注意ください。

大腸癌検診陽性者は、次に注腸や下部内視鏡検査を受けていただきますが、精密検査を受けていただく方の約1〜2%に大腸癌が発見されます。また、20〜40%の方に大腸ポリープ、憩室、内痔核などの何らかの大腸疾患が見つかります。大腸ポリープは癌の発生母地と言われていますので、発見された場合は内視鏡で切除することをお勧めします。

大腸癌は他の癌と比較すると、おだやかな性格を持った、いわゆる“良い癌”ですので、かなりの進行癌で発見されても手術を受けていただくことによって良好な結果が得られます。どうぞ、年1回〜2回の大腸癌検診を実施してください。

●肝機能障害と慢性肝炎

検診で肝機能障害を指摘される方が増えています。肝障害が発見された場合は、まず血液中の肝炎ウイルスのマーカー(抗原や抗体)を測定することによってB型やC型などのウイルス肝炎の有無を調べなければなりません。B型やC型の肝炎でない場合は、非B・非C型慢性肝炎、脂肪肝、また自己免疫性肝炎などの鑑別が必要となります。

さて、慢性肝炎について一言。よく患者さんが気にされるGOT、GPTというのは肝細胞に含まれる酵素で、肝臓に炎症がおきた場合、肝細胞が破壊され血中に流れ出したものを測定しています。したがって、GOT、GPTの値が高いほど、肝細胞が多く壊れていることを意味しています。そして長期間肝細胞の破壊が続くと、肝臓は肝硬変化して行きます。しかし、肝細胞には再生能力があるため、軽度の肝障害(GOT、GPTが100以下の場合)では肝細胞の破壊と再生のバランスが保たれ、肝炎があっても肝硬変化しません。

インターフェロンによってウイルスを根治することも重要な治療法ですが、以前から行われてきたように、強力ミノファーゲンCの静注療法や薬物療法によって、GOT、GPTの値を下げることも大変有意義です。

●癌を予防する5つの心得

1.タバコは絶対にダメ
2.アルコールは少々OK
3.緑黄色野菜をしっかり食べること
4.1日に30〜40分のウォーキングを
5.生きがいのある生活を

タバコはあらゆる癌の発生を促します。肝癌、食道癌、咽喉頭癌では喫煙者は非喫煙者と比べて5〜10倍の発癌率となります。アルコールは少々OKですが、ヘビースモーカーでアルコール多飲者は、そうでない方と比較して食道癌の発生頻度が約40倍も高まります。

緑黄色野菜にはβカロチンのような癌を抑制する物質が多く含まれています。お肉などの動物性脂肪や蛋白質を控えた野菜中心の食生活が、癌予防に有効です。

ウォーキングなどのスポーツは、心身をリラックスさせ、体のリズムを取り戻します。高血圧症、糖尿病、高脂血症、便秘などの成人病の治療や予防にも有効です。

最後に、心が常に充実し前向きであることが、体中の病気に対する抵抗や、特に癌免疫を高めます。自分の生きがいをしっかり持って、充実感のある1日をお送りください。

●虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
心臓はポンプの役目をしていて、全身に血液を送って、酸素や栄養を供給しています。この心臓は筋肉(心筋)でできていて、心臓自身も動くためには血液が必要です。この血液を送っているのが心臓を取り巻いている冠動脈という3本の血管です。ところが、動脈硬化などでこの血管が狭くなると、血流が悪くなり、心筋に十分な酸素や栄養が行かなくなります。これが狭心症です。血管が完全につまれば心筋梗塞です。症状は胸痛で、狭心症の場合、発作は数秒から数分で消失しますが、心筋梗塞では痛みがなかなか消失しません。原因はたばこ、高脂血症、糖尿病、ストレスなどで。
●高血圧

一般に高血圧とは収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上のうち、少なくともどちらか一方を満たす場合をいいます。しかし、正常血圧と高血圧の間に明瞭は境界線はなく、また日内変動もあるため、高血圧の診断は慎重に行います。高血圧と診断されれば、原因検索と重症度判定のため検査を行いますが、ほとんどは原因のはっきりしない本態性高血圧です。

治療は減塩などの食事療法のほか、運動療法などストレスの解消も重要です。運動はいきなり激しい運動はせず、歩行から始めましょう。これらで改善しない場合は降圧剤の内服が必要ですが、程度によっては初めから降圧剤を内服したほうが安全な場合もありますので、医師に相談しましょう

●パーキンソン病

パーキンソン病は、手足の振るえ(振戦)や筋肉が固くなる(筋固縮)症状で発病し、やがて動作がゆっくりとかつ乏しく(寡動)なる症状に進展する中高年齢者に多く見られる病気です。

脳内の神経伝達物質であるドーパミンが欠乏し、その病理的変化は中脳から大脳基底核に認められます。病状の進行は通常一側の手足から始まり、その後反対側の手足にも症状が現れ、前傾姿勢や、小刻み歩行など姿勢や歩行にも影響を及ぼします。便秘や顔面が脂ぎったり(脂漏性顔貌)する自律神経障害ともなうこともあります。表情が乏しいため(仮面様顔貌)知的障害を疑われたりしますが、痴呆を呈するのは稀であります。

診断は今まで述べた神経症状からなされますが、CTやMRIで同様の症状を呈する二次的パーキンソン症候群の存在を否定する必要があります。

治療には、ドーパミンを補充する目的でL-ドーパの投与が行われたり、ドーパミン受容体の刺激剤や塩酸アマンタジン、抗コリン剤等が投与されます。

●ギラン・バレー症候群

ギランバレー症候群は、先行する感染症が治った後2週ほどして、手足の運動障害で発病する末梢神経の病気です。

四肢の弛緩性麻痺のほか、軽度の感覚障害を伴うこともあり、重症になると呼吸筋や嚥下筋の麻痺を来して人工呼吸器を必要とする場合もあります。脊髄から出たばかりの末梢神経(神経根)における神経の炎症が神経障害の原因で、先行感染による免疫異常により引き起こされると考えられています。多くの場合、ビタミンB製剤の投与等で軽快し、自然治癒する場合も多いのですが、中には回復に時間を要したり、先に述べたように重症化する場合もあり、ステロイド治療や血漿交換療法を要することもあります。

「風邪は万病の元」と申しますが、風邪を引いた後身体がだるい、力が入らない等の症状がある場合、ギランバレー症候群を疑わなければなりません。

●重症筋無力症

骨格筋の収縮は、運動神経末端から筋肉にアセチルコリン受容体を通して指令が伝わり行われます。重症筋無力症は神経筋接合部に対する自己抗体がその神経伝達をブロックすることにより引き起こされる疾患です。

この病気は骨格筋が疲れ易くなり、視力が低下したりしますが、特に初期には、その症状は眼筋に現われ易く物が二重に見えたり瞼が下がったりします。そのため眼科を受診することも少なくありませんが、眼科的に異常はありません。

また、呼吸筋が冒された場合やクリーゼといって急激に症状が増悪する場合人工呼吸器を必要とすることもあります。

診断は、テンシロン(神経筋接合部におけるアセチルコリンの分解を阻害する薬剤)という薬を血管注射して直ちに症状が回復することでなされます。

治療として、抗コリンエステラーゼ剤の投与やステロイド剤の投与を行います。また、高頻度で合併する胸腺腫瘍の外科的手術や血漿交換を必要とする場合もあります。

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